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春の昼下がり。
俺は彼女の吉野愛と定食屋で昼飯を食って、上機嫌で会社に戻ってみると・・・ニコニコ笑った上司がいた。
嫌な予感がする。
「沖田。悪いが明日の会議までにこれをやっといてくれ」
他のヤツに頼めよ!俺は別の件で忙しいのによぉ・・・と、言えるはずもなく(クビになる)俺は小さく答えた。
「・・・はい」

春のポカポカ陽気で欠伸が出そうになるのを何とか堪えて、俺はまたパソコンとにらめっこを始める。
チラリと隣を見ると左頬を赤く腫らした同僚、一ノ瀬周。コイツはいつもいつも暇そうでイイよな。
やる気あるのかよ・・・なんて思っていたが、最近は無視の方向で。
コイツに関わるとロクな事がねェからな。
「なあ、沖田」
そう思った矢先、一ノ瀬に声をかけられる。さすがに勤務中だからか小声で。
本当は無視したいところだが、無視したらずーっと俺の方を見てきて鬱陶しいので、少しだけ一ノ瀬を見て返事をする。
「何だよ、暇人」
「いやぁ、折り入って相談があるんだけど」
ヘラッと笑いながら言ってくる一ノ瀬に、俺は顔を顰める。
あ、こいつ笑いやがった・・・腹立つな。
「悪ィが俺は忙しいんだ。相談乗ってる暇なんてねーよ」
「えーッ!いいだろ?俺とお前の仲じゃねーか」
一ノ瀬は俺の肩をガシッと掴んできた(マジ痛ぇ)から、おもいっきり振り払ってやる。だいたい、俺じゃなくてもいいだろうが!!
「どんな仲だよ。ただの同僚だろうが、女たらし!」
「俺が女たらしって知ってるのはお前ぐらいだよ~」
たしかにそうだ。
たまに一ノ瀬と飲みに行くが、どこに行っても一ノ瀬の知り合いの女に会う。そのせいか、一ノ瀬はあんまり男同士で飲みに行かない。俺は・・・バレたからいいらしい。
はぁ。
なんだかんだ言って一ノ瀬に付き合ってやる俺も相当お人よしだ。
「ああ、もう!しつけェーな!!」
俺は一段と強くEnterキーを叩くと、一ノ瀬の襟を掴んで休憩に入る。
こりゃあ、間に合わねぇかもな・・・。

「で?」
俺はポケットから煙草を取り出すと火をつけた。そして、ふーっと一息ついて一ノ瀬の方をじっと見た。
一ノ瀬はコーヒーを入れるとカップを見ながら話し始める。
「んー、実は昨日まゆみちゃんとデートして「お前、和桐と付き合ってたんじゃねーのかよ」」
コイツはッ!!
吉野の幼馴染と付き合ってんだろうが!
「えーっと、・・・菜穂ちゃんとも付き合ってるよ?」
コイツは一体何股かけてんだ・・・。おもいっきり睨んでやったが、一ノ瀬は怯むことなく続ける。
「で、話戻すけど。俺さ、まゆみちゃんに『花が綺麗だって思ってたけど、君がきれいな事に比べたら花なんか屑だ』って言ったら頬ぶたれたんだけど、なんでだと思う?」
俺はなんでこんなヤツの相談に乗ってんだろうか・・・。
言葉を失いかけたが、なんとか言う。
「そんなことを真顔で言ってるお前が気持ち悪い。何股かければ気が済むんだ、お前は・・・」

俺は一ノ瀬に関わるのは、今日限りでやめようと心の底から思いました・・・



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