平成１９年度 皐月

テーマ『　虹　』

 

＊     詩　＊

　・　虹色ノート　　（久遠）

　・　もう、手が届かない　　（上森一司）

　・　夢　　（雫）

　・　虹　　（朔晴）

　・　無題　　（雲雀）

　・　無題　　（立芳）

　・　クレヨン　　（侑）

　・　光　　（黒猫）

　・　見上げれば空　　（霖）

 

 

 

 『　虹色ノート　』 
　　　　　　　　　　久遠

私の持っている一冊のノート

このノートは

“sept  couler”って言います。

フランス語で“虹の七色”

素敵な名前だと思いませんか？

空高く

触れもしない

絶対手に入らない虹が

こんな形でいまこの手にあるのです。

あと何冊買えば

綺麗な虹の七色になるのでしょうか？

 

『　夢　』

　　　　　　　　　　雫

昼寝をしたら夢を見た

貴方と私が

仲良く手をつないで歩いている夢

 

だけど、貴方は突然走り出す

追いかけて　追いかけて　追いかけて・・・

どんなに追いかけても

追いつかない

悲しくて　悲しくて　悲しくて・・・

どんなに呼んでも

振り向いてくれない

そんな夢だった

 

目が覚めて

涙が出そうになるのを必死にこらえて

窓を見る

 

 先ほどまで降っていた雨は

いつの間にか上がっていて

虹が出ていた

 

どうか貴方は

貴方だけは

虹のように私の前から

消えないで・・・

 

 

 

『　無題　』

　　　　　　　　　　雲雀　　　　　　　　　

色鉛筆の

兵隊さん

わたしに向かって

ごあいさつ

あっという間に

七色の橋

その向こうには

色とりどりの

夢の国

 

 

 

『　無題　』

　　　　　　　　　　立芳

小さな部屋にかわいらしい少女が一人

雨降り景色を眺めていました

 

そこへ雀が一羽

雨をしのぎにやってきました

 

少女は、それは　それは　浮かない顔をしていましたので

気になって雀は問い掛けました

「君、どうしてそんな顔をしているの」

 

少女は一瞬驚いた顔をしましたが、

「この部屋は真っ白でつまらないのです。」

と答えました

 

それを聞くと雀は雨をしのぎに来ていたことを

 

 

忘れてしまったのか、飛び立ちました

 

すこしの時間が過ぎ雨はあがり・・・

少女の元へと雀が戻ってきました

口には小さなあじさいの花

少女の手のひらにそっと置きました

 

「みず色を持ってきたよ」

 

そしてもう一つのおくり物―・・・

空に輝く七色の架橋

 

 

 

『　見上げれば空　』

　　　　　　　　　　霖

見上げれば空

雨あがり、日がやっとさした午後

見上げれば空

雲から顔を出す青い空

見上げれば空

湿った空気

見上げれば空

そんな空に虹がかかる